血液・腫瘍グループ

グループの特長

  • 小児の血液疾患と小児がんの診断と治療を行っており、小児がん連携病院に指定されています。
  • 日本造血・免疫細胞療法学会が認定する「非血縁者間造血幹細胞移植を施行する診療科」として、造血細胞移植も行っています。
  • 近年利用可能となった免疫療法を積極的に採り入れており、CAR-T細胞療法(キムリア)も提供可能です。
  • 小児がん診療にあたってはがんゲノムパネル検査も積極的に行っています。
  • AYA(思春期・若年成人)世代がん患者さんの診療も行っています。
  • 日本小児がん研究グループの参加施設として多くの臨床試験を行っています。
  • 基礎研究として白血病細胞に対する薬剤感受性試験を行っています。
  • 静岡県立こども病院血液腫瘍科と月1回Webカンファレンスを行い、症例の検討を行っています。
  • 造血細胞移植は成人の血液内科と週1回カンファレンスを行い、症例の検討を行っています。

対象疾患/ 診療内容

良性血液疾患 免疫性血小板減少症、再生不良性貧血、遺伝性球状赤血球症、慢性良性好中球減少症など
血液悪性腫瘍 急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、悪性リンパ腫、若年性骨髄単球性白血病、骨髄異形性症候群など
固形腫瘍 神経芽腫、肝芽腫、ウィルムス腫瘍、胚細胞性腫瘍、副腎皮質がん、褐色細胞腫、網膜芽腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫など
脳腫瘍 髄芽腫、上衣腫、頭蓋内胚細胞性腫瘍、神経膠腫など

スタッフ

  • 坂口 公祥
    日本小児科学会認定小児科専門医・指導医、日本血液学会認定血液専門医・指導医、※日本がん治療認定医機構認定がん治療認定医、※日本造血細胞移植学会認定造血細胞移植認定医、※日本小児血液・がん学会認定小児血液・がん専門医・指導医
  • 清水 大輔
    日本小児科学会認定小児科専門医・指導医、日本血液学会認定血液専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医、※日本がん治療認定医機構認定がん治療認定医
  • 板倉 陽介
    日本小児科学会認定小児科専門医
  • 牧野 理沙
    日本小児科学会認定小児科専門医
  • 内村 真介
    日本小児科学会認定小児科専門医
  • 小松 和幸(大学院生)
    日本小児科学会認定小児科専門医
※は、日本国の厚生労働大臣により届出を受理されていない専門性資格

CAR-T細胞療法(キムリア)の提供可能施設認定

浜松医科大学附属病院は、遺伝子改変技術を利用したがん免疫療法である「CAR-T細胞(キムリア)療法」の提供可能施設として認定されています。

キムリアの適応(小児科領域)と治療内容

  • 再発・難治性のCD19陽性B細胞性急性リンパ芽球性白血病(25歳以下)
    本治療は、患者さんの血液から採取した免疫細胞の1つであるTリンパ球に遺伝子改変操作を行い、CARと呼ばれる特殊なたんぱく質を保有するCAR-T細胞を作成し、増殖させた後、患者さんに戻します。このCAR-T細胞は、患者さんの体内で、白血病やリンパ腫細胞の表面にあるCD19という蛋白をCARを使って認識し、がん細胞を死滅させます。
    キムリアの治療にあたってはさまざまな医療費助成を受けることができます。製薬会社提供サイトをご参考に、当院での治療開始前に医療福祉支援センターでご相談ください。キムリアの治療には特殊な副反応があるため、集中治療部などと連携を行って対応をしてまいります。どのような副反応があるか、詳しくは製薬会社提供サイトをご参照ください。

キムリアの治療実施にあたって

キムリアの治療にあたっては、複数の医師で協議を行い、慎重に適応を判断しております。このため、事前の情報なく受診されたとしても対象となるかを判断することはできません。
キムリアの治療を目的とした受診につきましては、主治医にご相談いただき、かかりつけの医療機関を通じて当病院の地域連携室へ診療情報提供書の送付をお願いいたします。(地域連携室では、患者さんおよびご家族からの直接のお問合せはお受けできませんのでご了承ください。)
検討結果は主治医の先生にご連絡いたします。

キムリア治療の適応に関する診療情報提供書の送付先

〒431-3192 静岡県浜松市東区半田山1-20-1
浜松医科大学医学部附属病院  地域連携室
小児科 キムリア療法担当医師宛(連絡用に主治医の先生のメールアドレスをご記載ください)
地域連携室 受付時間/平日8:30~18:00  TEL:053-435-2637
当科初診外来およびセカンドオピニオン外来受診あるいは電話連絡等によるキムリアの適応についてのご依頼やご相談への対応はいたしかねますのでご了承ください。

キムリアの治療に関しては下記のサイトもご参照いただけますと幸いです。
キムリアの治療を受けられる方とそのご家族へ(製薬会社提供サイト)
最適使用推進ガイドライン(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構提供)

患者さんのサポート

長期入院を必要とする患者さんは小中学生であれば、院内学級に通学できます。退院後、もとの学校に戻る際に発生するさまざまな問題に対処するため、院内学級の教員、もとの学校の教員、医師、看護師、患者さんとそのご家族で集まり、復学のための面談を行っています。
高校生の患者さんの場合、長期入院や治療のための通院に伴って、高校の単位取得が困難になることがあるため、治療開始当初より高校の先生と対応を相談しています。
小児がん患者の親の会である「すまいるハートの会」、小児がんのお子さんを亡くされた親の会である「青空の会」と連携をし、医療者では提供できないピアサポートにつなげられるよう、お手伝いをしています。