小児科ブログ
臨床研究医コースをご存知ですか?
2025/01/24
初めまして。医師4年目、小児科専攻医(臨床研究医コース)2年目、大学院1年目の大山伊吹です。
今僕は浜松医大小児科の臨床研究医コースというコースに在籍し、臨床と研究の勉強をしています。今回「経歴と臨床研究医コースの紹介」という内容の寄稿依頼をいただきました。自分自身の話をするのは苦手で、本当は趣味の映画鑑賞の話でもたっぷりしたいところなのですが、少々僕の話にお付き合い頂ければと思います。 医学生や研修医の先生方には、こんなコース・専攻研修もあるのかと知っていただけると幸いです。
“臨床研究医コース”… (医師も含めて)多くの人は聞いたことのない専攻医のコースだと思います。というのも、日本専門医機構が2021年度から新設した制度なのですから! 臨床研究医コースとは、専門医機構のホームページによると「将来の臨床研究医を養成する」目的にしているコースだそうです。今の制度では、最低1年間の臨床研修の後、臨床をしながら最低4年間の研究期間で論文を発表します。こうして最短5年間の研修期間で【学位】+【専門医取得の権利】が得られる専門医制度です(詳しくは“臨床研究医コース”で検索してみてください)。
こう書くとなんだか難しくてお堅いコースにみえますが、要するに臨床の勉強しながら研究もやってみるということです。研究内容に関しては研修施設によって様々ですし、臨床研究だけではなく基礎研究でも構いません。このコース、様々な科で設けられているのですが、全国どこの施設や大学でも研修できるわけではなく、2024年度の場合は小児科で新規に臨床研究医コースの応募できる施設は全国で5施設だけでした。僕は、コース新設から3年目の2023年度に浜松医大小児科の臨床研究医コースに入りました。浜松医大小児科には、僕以外にこのコースの専攻医はいません。
さて、なぜ僕がこの臨床研究医コースを選んだかというと、ただ研究に興味をもったから、研究をもっと知ってみたいと思ったからです。最初に実験や科学に興味を持ったのはいつだったかと思い返してみると、幼稚園年長から小学校低学年のときでした。学研の科学(当時は科学と学習)の付録で遊んでいたのが最初だと思います(付録についていた解説の内容はまったく覚えていませんが…)。小中高は特記するようなことはなく学生生活を送り、中学からは映画も頻繁にみるようになり映画鑑賞が趣味になりました(社会人になってから映画を見る機会も少なくなってしまいましたが)。授業以外で実験に接する機会もなく、将来研究に携わりたいと考えるなど露程も思っていませんでした。
そんな中、実験・研究に再び触れる機会に巡り会ったのは、医学部4年生の前期にあった1か月半の基礎配属実習でした。免疫染色や電子顕微鏡での観察などを日々行ううちに、実験・研究が興味深い!面白い!!と感じるようになりました(そう感じられた一番の理由は、指導してくれた教官が良い先生だったからだと思います)。基礎配属実習の後も、病院での臨床実習の合間に(6年生の時はコロナパンデミックで大学に通学することもままならなかったのですが)指導を続けていただきました。今の自分が研究をしたいと思えるのは、この実習・指導があったからだと思います。なにが人生のきっかけになるかわかりませんね。
大学を卒業した後も研究について学びたいと思い、2年間の初期研修を修了後、2023年に浜松医大小児科の臨床研究医コースに入りました。大学と市中病院での臨床研鑚を積んだ後、2024年10月からは(まだまだ研究を始めたばかりです)小児内分泌グループを中心にたくさんの先生方にご指導をいただきながら、大学院での研究生活を楽しんでいます。
非常に簡単に臨床研究医コースについてと僕の経歴をまとめてみましたが、研究に興味がある研修医や医学生の方々のご参考になれば幸いです。さらに、将来どんなことをしたいかまだ決まってない皆さんにも、この臨床研究医コースを選択肢の一つに考えていただければと思います。
最後に、人との縁に恵まれて今があるのだとつくづく感じます。両親・家族はもちろん、今までお世話になった皆様、今もお世話になっている皆様に、この場をお借りして感謝申し上げます。これからもよろしくお願いいたします。
今僕は浜松医大小児科の臨床研究医コースというコースに在籍し、臨床と研究の勉強をしています。今回「経歴と臨床研究医コースの紹介」という内容の寄稿依頼をいただきました。自分自身の話をするのは苦手で、本当は趣味の映画鑑賞の話でもたっぷりしたいところなのですが、少々僕の話にお付き合い頂ければと思います。 医学生や研修医の先生方には、こんなコース・専攻研修もあるのかと知っていただけると幸いです。
“臨床研究医コース”… (医師も含めて)多くの人は聞いたことのない専攻医のコースだと思います。というのも、日本専門医機構が2021年度から新設した制度なのですから! 臨床研究医コースとは、専門医機構のホームページによると「将来の臨床研究医を養成する」目的にしているコースだそうです。今の制度では、最低1年間の臨床研修の後、臨床をしながら最低4年間の研究期間で論文を発表します。こうして最短5年間の研修期間で【学位】+【専門医取得の権利】が得られる専門医制度です(詳しくは“臨床研究医コース”で検索してみてください)。
こう書くとなんだか難しくてお堅いコースにみえますが、要するに臨床の勉強しながら研究もやってみるということです。研究内容に関しては研修施設によって様々ですし、臨床研究だけではなく基礎研究でも構いません。このコース、様々な科で設けられているのですが、全国どこの施設や大学でも研修できるわけではなく、2024年度の場合は小児科で新規に臨床研究医コースの応募できる施設は全国で5施設だけでした。僕は、コース新設から3年目の2023年度に浜松医大小児科の臨床研究医コースに入りました。浜松医大小児科には、僕以外にこのコースの専攻医はいません。
さて、なぜ僕がこの臨床研究医コースを選んだかというと、ただ研究に興味をもったから、研究をもっと知ってみたいと思ったからです。最初に実験や科学に興味を持ったのはいつだったかと思い返してみると、幼稚園年長から小学校低学年のときでした。学研の科学(当時は科学と学習)の付録で遊んでいたのが最初だと思います(付録についていた解説の内容はまったく覚えていませんが…)。小中高は特記するようなことはなく学生生活を送り、中学からは映画も頻繁にみるようになり映画鑑賞が趣味になりました(社会人になってから映画を見る機会も少なくなってしまいましたが)。授業以外で実験に接する機会もなく、将来研究に携わりたいと考えるなど露程も思っていませんでした。
そんな中、実験・研究に再び触れる機会に巡り会ったのは、医学部4年生の前期にあった1か月半の基礎配属実習でした。免疫染色や電子顕微鏡での観察などを日々行ううちに、実験・研究が興味深い!面白い!!と感じるようになりました(そう感じられた一番の理由は、指導してくれた教官が良い先生だったからだと思います)。基礎配属実習の後も、病院での臨床実習の合間に(6年生の時はコロナパンデミックで大学に通学することもままならなかったのですが)指導を続けていただきました。今の自分が研究をしたいと思えるのは、この実習・指導があったからだと思います。なにが人生のきっかけになるかわかりませんね。
大学を卒業した後も研究について学びたいと思い、2年間の初期研修を修了後、2023年に浜松医大小児科の臨床研究医コースに入りました。大学と市中病院での臨床研鑚を積んだ後、2024年10月からは(まだまだ研究を始めたばかりです)小児内分泌グループを中心にたくさんの先生方にご指導をいただきながら、大学院での研究生活を楽しんでいます。
非常に簡単に臨床研究医コースについてと僕の経歴をまとめてみましたが、研究に興味がある研修医や医学生の方々のご参考になれば幸いです。さらに、将来どんなことをしたいかまだ決まってない皆さんにも、この臨床研究医コースを選択肢の一つに考えていただければと思います。
最後に、人との縁に恵まれて今があるのだとつくづく感じます。両親・家族はもちろん、今までお世話になった皆様、今もお世話になっている皆様に、この場をお借りして感謝申し上げます。これからもよろしくお願いいたします。
小児科学講座 大山伊吹